パソコンとモニタを接続する端子の規格にはいろいろな種類がありますが、ここ最近では、ほぼHDMIとDP(ディスプレイポート)に絞られた感があります。
そうなると当然、HDMIとDPを接続することになるケースは多くなるので、片側がHDMI、反対側がDPとなっている変換ケーブルはamazonなどで探しても豊富にあり、価格も1000円しないものもあるくらい安価です。
本体側がDP、モニタ側がHDMIである場合は、そういったケーブルで問題なく使用できます。
しかし、これが逆になると、様相が一変します。
本体側がHDMI、モニタ側がDP端子である場合に、これらのケーブルを使っても、画面は全く写りません。
HDMIとDPはそもそも別物
HDMIとDPは同じデジタル規格でもあり、何となく「形は違うけど同じようなものだろう」と思ってしまいますが、実際は信号の伝達方法が全く違うため、基本的に互換性はありません。
かいつまんで言うと、DPには「シングルモード」と「デュアルモード」があり、
・シングルモードは、DPで使用される送信方式(パケット方式)にしか対応しない
・デュアルモードは、DPで使用される送信方式(パケット方式)と、HDMIで使用される方式(シリアル伝送方式)の両方に対応できる
という違いがあります。
パソコン本体側のDP出力ポートは、デュアルモード対応である場合がほとんどです(バージョンにより、対応解像度などに差があります)。
モニタ側は、本体側もDPである前提なのでわざわざデュアルモードに対応する意味がないため、シングルモードのみです(筆者は、モニタの受信側がデュアルモード対応のDPである製品を見たことがありません。あったらすいません)。
ケーブル両端の形状が違う変換ケーブルの場合は、ケーブル内で信号の変換を行っているわけですが、もともと本体側からHDMIと同じ方式で出力ができるデュアルモード対応のDPは、HDMIへの変換が容易なため、「DP to HDMI」の変換ケーブルは安価に供給出来ます。
しかし、「HDMI to DP」の場合は、HDMI方式の信号を、ケーブルキット内で、パソコン本体のアシストもなく、互換性のないDP方式の信号に変換しなければなりません。
そもそも需要が多くなく、それでいて技術的に難易度の高い変換を行うキットを作るメリットがあまりないため、この「HDMI to DP」の変換ケーブルは、本当に数えるほどしか見つかりません。
市販の手頃な「DP to HDMI」の変換ケーブルには、「注:ケーブルは双方向ではなく、DisplayPortからHDMIへの信号のみ変換できます。」といった一文が、ほぼ例外なく添えられています。
「HDMI to DP」ケーブル
数少ない「HDMI to DP」の変換ケーブルをいくつかピックアップしてみました。
本当に少ないです。
信号の変換器が電力を必要とするため、電力供給用のUSB端子がついています。
・サンワサプライ HDMI-DisplayPort変換アダプタ AD-DPFHD01
実売価格:4,500円前後
・アイネックスHDMI-DisplayPort変換ケーブル AMC-HDDP
実売価格:2,900円前後
・StarTech.com HDMI - DisplayPort変換アダプタ
実売価格:5,600円前後
まとめ
パソコンに限らず、ゲーム機などでも本体側の映像出力がHDMIであることは非常に多いです。
そしてさらに、DPだけを備えたモニタも増えてきている(DELLなどのPCメーカー製に、特にその傾向があります)ので、組み合わせによっては注意が必要です。